BTS(防弾少年団)英語→日本語 翻訳の部屋

「防弾少年団」(BTS)が取り上げられた英語媒体の記事やニュースをファンが和訳して載せているブログ。翻訳には意訳部分も多くなりますのでご了承ください。

【和訳】BTSお気に入りのフローリストIsaacが、BTSとの出会い、TikTok、花への愛について語った

2020年4月11日に公開されたTeenVogueの記事(by Elizabeth De Lune)を和訳しました。


↓原文の記事(英語)↓

www.teenvogue.com


BTSお気に入りのフローリストIsaacが、BTSとの出会い、TikTok、花への愛について語った

 

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Kim IsaacがBTSにお花の作品づくりを教える様子を、みなさんは今週すでに見たかもしれない。薔薇やライラック、ラベンダーの甘い香りで満ちた世界に住む彼のお気に入りは、香りを持たないというジレンマを持つ花、アメモネだという。香り豊かな花の世界で香りを持たないアネモネは特異であり、ユニークな存在だ。そしてそれがどういうことなのか、Isaacは身をもって知っている。29歳のフローリストであるIsaacは、ある意味で韓国でのフローリスト界のアネモネと言える。彼いわく、韓国では「お花に関連する仕事はなんでも」たいていの場合、「女性の仕事」だと思われている。両親の花屋ビジネスを引き継いで自分のビジネスと合併してから6年の間に、彼は指導資格を取得し、韓国で開催されたウルトラミュージックフェスティバルのフラワーディレクターに任命され、Nespressoなどの会社ともコラボレーションをしてきた。しかし、いわゆる「伝統的な」花屋とは見た目も行動も違うことから、彼は韓国の文化から認められていないのではないかという悩みを抱えていた。「普通と違うところがあれば、海外ではユニークだと思われるかもしれないですが」と、ソウル江南地区にあるショップで通訳を介して彼は明るく語った。「韓国では、変わり者だと思われるんです。」


しかしこの「変わり者」である点こそが、彼とグローバルスターのBTSを結びつける接点となった。RM、ジン、Suga、J-Hope、ジミン、Vとジョングクは2013年にデビュー。彼ら自身も以前は「変わり者」とみなされ、そのメッセージと音楽とスタンスは他のアーティストと一線を画していた。彼らはK-pop界でのアネモネであり、その違いをもたらしたクオリティゆえに世界から愛されるグループになった。

去年の夏、BTSのリアリティショーであるRun BTS!のプロダクションクルーが、メンバー10人の新人アイドルグループの担当だと名乗りIsaacに匿名でコンタクトをとった。プロデューサー陣は、他の韓国のフローリストとは違うIsaacのすべての要素が気に入ったと説明したという。フェスティバルのデザインも担当するユニークな実績、若さ、そして性別。その時のIsaacは知らなかったが、プロデューサー陣は彼なら他のフローリストとは違うやり方でBTSと交流することができるのではないかと考えたという。Isaacが教える相手が本当は誰なのかを明かされたのは撮影前日のこと。「BTSだと聞いたとき…頭も何もかも、全部フリーズしてしまいました」と、Issacは目を見開いて言った。「言葉が見つからなかったです。」それから24時間以内にRun! BTSのプロダクションクルーがIsaacの店に風のようにやってきて、プライバシーを確保するために窓を板張りし、照明とカメラのセッティングを始めた。いつもはIsaacと一緒に店で働く両親は、ペットのShin Tzuと一緒に店を出るようお願いされていた。


BTSが到着した時、Isaacは尻込みした。「有名人ですから…僕から近づいていくのはすごく難しかった。」彼は緊張していた。何を言えばいいだろう?そもそも話なんてできるんだろうか?メンバーが彼に山のような質問を浴びせてきて、その緊張がほぐれた。「あなたが今日の先生ですか?」と彼らは聞いた。「プロデュース101に出ていませんでした?見たことがある気がする!」「俳優さんですか?」Isaacはモデルでもあり、アイドル練習生だった過去もあるが俳優ではない。しかし彼らの人懐っこさに「すごく幸せな気持ちになって緊張が緩み、親近感が沸きました。」

 

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撮影のざっくりとしたコンセプトは「1日クラス」のようなもので、これは生徒がクラフトやお菓子作り、編み物、絵画などの趣味に挑戦するという韓国では人気のワークショップスタイル。Isaacは番組プロデューサーから、誕生花に関する一コマがあるので準備しておいてくださいと頼まれていた。彼によると誕生花は韓国では他国より文化的に重要な意味を持ち、「一人一人の人生に意味を与える」ために役立つという。撮影開始後、「緊張してメンバーの誕生花が思い出せない場面がありました」とIsaacは語る。気が利くジョングクが「すぐに状況を把握して、"僕、自分の花知ってます!"と言って助けてくれました。」Isaacは撮影を通して、メンバーたちが自分の小さなミスをさりげなくカバーしてくれたことに感動したという。

撮影が進むうち、Isaacはいつの間にかVとRMの二人の間に挟まれ、二人のとどまることを知らない好奇心を目の当たりにして嬉しくなった。「たくさん質問してくれる生徒に教えるのは大好きなんです」とIsaac。「なぜRMがBTSのリーダーなのかわかりました。彼はいつも分析していて、状況や出来事を考察し、花のことだけでなく、状況が変わるたびに質問するんです。"これはどういう仕組みですか?"とか"なんでそういうことをするんですか?"って。」Isaacはさらに、「メンバーはみんなARMYへの愛を表現していましたが、RMは何をするにも全てARMYに言及していましたね」と付け加えた。

Vについては、「彼はすごく植物が好きだと思います」とIsaacは語る。Vは特に植物の種類と世話について知りたがったという。「家にいくつか植物があって、もう少し大きなものも育ててみたいと言ってました。自分がちゃんと作業できているか確認するために僕のすぐそばに立っていたのが、とても可愛いなと思いました。」

今週このエピソードが初放送された時、ファンは皆BTSとIsaacのウィットに富んだ会話に微笑んだ。SugaはIsaacの見た目がドラマの俳優のようで「とてもかっこいい」と言い、ジミンは彼の髪型とスタイルを褒めた。VはIsaacには意外な一面があるかもしれないと言い、もしかしてヒップホップが好きですかと聞いた(ちなみにIsaacはヒップホップも好きだが、EDMとDua LipaとDoja Catの大ファンなのだそう)。ジミンがIsaacのガールフレンドについて教えてと冗談交じりにお願いしたあと、「みんな花よりも先生の方に興味があるみたいですね」とJ-Hopeが締めくくった。

BTSのリアクションが一番大きかったのは、ブートニエールを作ったときだ。J-Hopeに「こんなにたくさんのお花の葉っぱを切って捨てないといけないのは悲しくないですか」と聞かれたIsaacが「不要なものを捨てることを恐れてはいけません」と返事をすると部屋いっぱいに驚嘆の歓声があがり、「かっこいい!」という声が飛び交った。「僕が毎日言っていることだったんですが」とIsaacは困惑気味に話す。「彼ら自身がすごくかっこいい人たちなのに、あんなに大きな反応があってびっくりしました。BTSのメンバーにとって、誰かを褒めることはすごく自然なことなんです。心から出た本心の言葉だと伝わってきたので、恥ずかしい気持ちにはならず、すごくありがたかったです。」

グループの中でも群を抜いて賑やかなメンバーは、エピソード全編通して鳥のように常にさえずっているJ-Hopeと、自らのイメージ(そして時に自らの尊厳)を犠牲にしてまでもグループ内のコメディアン担当を喜んで引き受けるジンの二人だ。Isaacとの最後の作業の際、ジンは風変わりなユーモアセンスを発揮して花冠というよりも花のアンテナのような(もしくは、ジョングクが言ったように「かたつむりの目」のような)作品をつくりあげた。結果、他メンバーは大爆笑。撮影後にジンがIsaacに近寄り、「メンバーたちがちょっとシャイな感じだったので、僕の発言や行動で空気を盛り上げて面白おかしくしようとしたんです」と説明したという。「ジンは、自分の発言や行動で何か失礼なことや気に障ることがあったらすみませんと言いました。僕はすごく感動しました。彼らとの時間はとても楽しかったですが、特にジンは自分の行動や発言がどんな風に他の人たちに影響するかをいつも考えているんだと思いました。個人的に、ジンのように既存の枠にとらわれない考え方をする人が大好きです。変わり者だという人もいるかもしれませんが、単に人と違うだけなんです。」Isaacは収録エピソードの中で将来一緒に仕事しましょうとジンに声を掛けているが、それは本心だったという。「ジンと一緒にお花に関する仕事ができたら、すごく楽しいだろうなと思います。」


Isaacにとって嬉しかったのは、1日の終わりにメンバーがそれぞれつくった花の作品を家に持ち帰ったこと。自分たちの愛する人にプレゼントしたのではないかと彼は推測する。「欧米文化ではみなさん自分の家に飾るために花を買って花瓶に入れて楽しみますが、韓国ではそういう楽しみ方はとても稀です」と彼は説明する。韓国では、「お花というのは特別な機会に送ったり交換したりするもの」で、そのままドライフラワーや押し花にされることも多いそうだ。

BTSの印象について聞くと、Isaacはためらうことなくこう答えた。「善良で正直な人たちです。彼らの間で、影に隠されていることは何もない。」これは韓国語の表現で、「彼らには嘘がない」という意味だ。「彼らに会ったときはLove Yourselfのワールドツアー真っ只中で、たぶんすごく疲れていたのではないかと思います。でも彼らはとても親切で思いやりに溢れていました。カメラの中でも外でも、ありのままの姿でした。BTSに会ってから、僕の中でのグローバルスターの基準はこうなりました。高い場所から他人を見下すのではなく、どんな人も愛して包み込む力を持っている人たち。」この経験を経てIsaacはARMYになった。「Boy With LuvとMikrokosmosが好きです」と彼は笑顔で話す。

今週頭にこのエピソードが放送されたとき、Isaacは韓国という土地で自分が場違いであるような感覚を持ったまま、苦しい状況にいた。それでも9月にTikTokアカウントを作ってから少しずつ上向きになってきたと彼は言う。20代前半のアイドル練習生時代の経験を生かしたダンスカバーを披露して自分の店を舞台にした可愛いビデオを作った。TikTokは「子供向けの恥ずかしいアプリ」だと韓国では思われているが、TikTokを通じてグローバルなコミュニティから得た応援によって、「すべては解決に向かって雲が晴れていく」ような気持ちになれたという。Isaacのキャラクターに対する反応が韓国と欧米で全く違うので、Isaacはアメリカに生まれていたらよかったのにと彼の友人がジョークを言うそうだ。現在、Isaacは英語を「詰め込み学習」していて、ファンともっと交流したり、海外でのプロジェクトに取り組むという夢を温めているという。


不確実な時期にBTSとのコラボの仕事が舞い込んだことで、Isaacは自分が正しい道を歩んでいるという自信を持つことができた。BTSは(そしてエピソード放送後に彼をInstagramでフォローした120,000人の人々は)Isaacが他の人たちと違う点に彼の真価を見い出してくれて、それにより、彼も自分の将来に希望を見い出すことができた。「自分を幸せにすることを引き続きやっていきます」と彼は言う。「そして、幸せは妥協していては手に入らないものです。」


なぜそんなにも仕事に情熱を持っているのかと聞かれて、Isaacはこう説明した。「花には誰かを泣いたり笑ったりさせられる魔法の力があります。複雑な感情を呼び起こす力もあるんです。花と一緒に仕事をすることで、僕は自分が想像する世界をつくることができる。だからいつも生徒さんに言うんです。"このフラワーアレンジメントは、あなたの描くファンタジーの中に存在するんだよ"って。大勢の人が、花を通じて心からの幸せを感じるという経験ができるといいなと思います。僕は花を愛さずにはいられません。」


 


防弾少年団のファンが趣味で翻訳している個人ブログです。翻訳の正確性に責任は持てません。細かい訳漏れ、訳抜けなどある場合がございますのでご了承ください。無断転載はお控えください。和訳を別ブログで紹介していただく場合は、この記事のリンクURLも引用元として貼り付けお願いします。  

 

 

BTSのシングル'On'と'Black Swan'の共同制作者August Rigoのインタビュー

2020年4月5日にForbesに公開されたHugh McIntyre氏の記事を和訳しました。

 

↓オリジナルの記事(英語)↓

www.forbes.com

 

 


BTSのシングル'On'と'Black Swan'の共同制作者August Rigoのインタビュー

 

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BTSに曲を提供しその曲が実際に録音されるということは、音楽家にとっては高額の報酬の確約だけでなく、大きなブレイクポイントとなり得る。BTSの人気はすさまじく、彼らがリリースした楽曲にはもれなく非常に高いストリーミング数と売上がついてくるため、彼らとつながりを持つこと自体が音楽家のキャリアに多くの機会をもたらしてくれるのだ。 

 

August RigoがBTSに提供したのは1曲だけではなく2曲。しかも2曲とも、彼らの最新アルバムMap of the Soul: 7からシングルとしてリリースされた。Rigoはアルバム公開前にリリースされた"Black Swan"とアルバムのリードシングルとしてリリースされた"On"の2曲を共同プロデュースした音楽家だ。 

 

シングル 1曲でも大変なことだが、シングル2曲となると音楽家としてはこれ以上望むものはない。提供相手がBTSとなるとなおさらだ。

二曲の制作について、Big Hitとの仕事について、また自分の曲が世界最大規模のシングルとしてリリースされると知った時のことについて、August Rigo氏から話を聞いた。



McIntyre(記者):まず最初に、"On"はこのアルバムでの私のお気に入り曲のひとつです。

Rigo: ありがとうございます。

McIntyre: "On"がアルバムに収録されると知ったのはいつですか?また、それがシングルとしての扱いになると知ったのは?

Rigo: そうですね…アルバムに収録されるかもしれないことを知ったのはたぶん11月か12月のことだったと思います。印税分配の割合を決めて権利周りの整理をしました。通常こうした手続きが発生するのは、楽曲がアルバムに入るといういいサインなんです。

最初のシングルはアルバム発売に先駆けてリリースされた"Black Swan"でした。あの曲が最初のシングルカットになるとは知りませんでした。権利関係の手続きを行ってはいましたが、自分の曲がシングルカットされたと知ったのは本当に他の皆と同じタイミングでした。リリースされてから、「わあ、シングルだ。すごい」って。その後僕たちがした会話はこんな感じでした。「もし'On'が次のシングルだったらものすごいことになると思わない?」って。そしてある朝目覚めたら本当に、"On"が次のシングル曲だったんです。それぐらい秘密裏に進められていました。

 

McIntyre: ということは、自分の曲がメイントラックとして使われることを、世界中が知るまで知らなかったってことですか?

Rigo: そういうことです。

McIntyre: ワオ

Rigo: まあ正直、もう一人僕の友人でライターがいるんですけど、メラニー・フォンタナっていう。彼女も"On"の制作に関わったんですね。彼女から、シングル曲もあり得るとは聞いていました。でもどうしても僕たちソングライターとしての希望的観測も混じるし、願いをあらかじめ宇宙に宣言するみたいな。なので実際にリリースされるまで本当にわからないんですよ。

McIntyre: "Black Swan"も"On"も素晴らしい売上を残しました。ファンからも愛されていますし、ミュージックビデオもとんでもないですね。

Rigo: 本当に素晴らしいですよね。 

McIntyre: 特に2つ目のミュージックビデオには莫大な予算がかけられていましたね。

Rigo: いや本当に。最近の音楽業界だともうやらないですよ。自分の楽曲のMVにあそこまでのお金をかけるアーティストって本当に限られていて、超ビッグなアーティストだけですね。

McIntyre: あそこまでやるアーティストは少ないですよね。

Rigo: 全体的に、MVにあそこまでお金をかけないです。でも彼らは違う。彼らのつくるビジュアルは超一流。異次元です。 

 

McIntyre: 自分がつくった曲を全世界が一気に聞いて、MVを見て、それについて語っている様子を目撃するというのはどんな感じですか?

Rigo: 正直いうと少し圧倒されました。僕自身がアーティストで仲間のミュージシャンと一緒にいつも音楽をやっていますが、こんなにワールドワイドかつユニバーサルなスケールでの現象を目にするのは圧倒的な経験でしたね。

意味がわからないかもしれませんが、どうやって喜んだらいいのかもわからないぐらいでした。BTS Armyは本当に心から応援してくれて…Armyは曲のライターの名前や誰がどう関わっているかも知ってるんですよ。だから自分のソーシャルメディアのタイムラインもいきなり賑やかになった。圧倒的だったけどとてつもなく満足のいく経験でしたね。僕たちが毎日がんばって曲を書いて音楽をつくっているのは、世界中の人たちに聞いてほしいからです。だから自分がつくりあげたものが世界中の注目を浴びるということは、とても嬉しいことで、本当に感謝しています。

 

McIntyre: Siaはどういう経緯でこの曲に関わったのですか?

Rigo: BigHit側が、アメリカでの注目を後押ししてくれるようなフィーチャリング曲をつくりたかったからだと思います。

McIntyre: なるほど。

Rigo: Siaは誰もが認める素晴らしいソングライターです。彼女のトラックや秀逸な歌詞を考えたときに、そのバイブスやブランドが韓国の音楽産業の中でのBTSの立ち位置とマッチしていたのだと思います。"On"のリリックも、Siaが書く歌詞に非常に親和性があると感じます。彼らは共通して、とても比喩的でシンボリックです。そういう意味で彼女は"On"のコラボにぴったりのアーティストだと思います。

 

Hugh McIntyre: ソングライティングの話題に戻りますが、先ほど他の共同ライターの名前も出てきましたが、BTS自身もクレジットされていますよね。どのように共同作業をしたのですか?

Rigo: 作業の大部分がリモートで行われました。僕と僕のビジネスパートナーであるBenjiの運営する会社に、BTSのライブ振り付けをやっているBrianというアーティストがいます。彼は素晴らしいアーティストでダンサーなんですが、BTSの人気に火がつき始めた頃、「どうにかしてコンタクトをとって彼らに曲を提供できるかどうかやってみたい」と僕が持ちかけたんです。K-Pop関連の仕事は2013年からやっていて、韓国とこっちを行ったり来たりしつつ、複数のプロデューサーやアーティストと一緒にセッションをしたり作曲をしたりしてきました。なので相性はいいはずだと思ったし、彼らに曲を提供できたら最高だろうなあと常々思っていました。

それで実際に彼らに曲のアイデアを送り始めたんですが、僕たちのバイブスをすごく気に入ってくれて。1年後ぐらいだったかと思います。大量のトラックや歌詞を送り続けていたら彼らから返信があって、「オーギュストの曲のバイブが今準備中の次の曲にすごく合うんだ。やってみないか?」って聞かれて。その後彼らからインストルメンタルのみのトラックが送られてきて、それをベースに自分で曲を作りました。送られてきたのは"Black Swan"と"On"のインストルメンタルで、それをさらに数人のライターに送りました。"Black Swan"についてはライターの一人が作ったひとつのピースがとても気に入ったので、そのピースを拡張して全曲つくりあげました。BigHitにトラックを送り返すと、「OK、このパートは気に入ったよ」みたいなコメントをくれて、彼らが不要だと判断した部分はカットしながら改良していく、というような流れでした。

例えば僕がすでに全曲を書き上げていたとして、彼らは気に入ったパートを選んで切り出し、僕に送り返してきます。で、僕は「彼らが好きなのはこういう感じなんだな。この曲調を広げていこう」と作業してまた彼らに戻すといった具合。だいたい1曲あたり3回か4回の改良のためのやりとりがありました。トラックが返ってくると、誰かが歌う音節とか、誰かのラップが付け加えられていることもあります。僕はトラックの空間を埋めてまた彼らに戻すという流れです。

 

Hugh McIntyre: これまで関わった中でこれが一番ビッグな曲だということになりますか? 

Rigo: 確実にそうですね。これまでJustin BieberのデビューアルバムとOne Directionのデビューアルバム、そしてChris Brownのヒット曲"Back to Sleep"という曲にも関わりましたが、この曲のグローバルなスケールは僕の関わった中では明らかに過去最大です。だって、96ヵ国でしたっけ。それぐらいの国でNo.1を取ったんですよ。実はBillboard Hot 100であんな高順位に上りつめたことも初めてでした。"On"はHot 100で初登場4位でした。なのでそうですね、確かに僕がこれまで関わった中で最大スケールの曲です。

 

McIntyre: この曲はまだまだ売れていますが、この勢いを次に活かすために今どんなことをしていますか? 

Rigo: たくさんの方から連絡をもらっています。作曲の世界というのは、「最近どんな曲をつくった?」というのが全てなんですよ。チャートで高順位に上がった曲をつくったとわかると、みんな耳が変わるみたいなんです。言ってることわかります?みんな突然、「えっ?なるほど。本当に素晴らしい曲だね」って、耳が変わるんです。

 

自分が送りつけた曲に関しても前よりもっと早く連絡が返ってくるようになりました。これまでと同じように引き続きやっていきます。僕はいつもスタジオにいて作曲をし、チームのみんなと作品の内容についてやりとりしています。確かに、自分がやりたい仕事、これまでと違う仕事を選ぶという自由を前より手に入れたかもしれません。クリエーティブな仕事というのは浮き沈みが激しいものです。だからとてもビッグな成果につながる仕事を成し遂げたときは、自分の心の健康にとってもすごく良くて、「そう、僕は正しいことをしているんだ」という気持ちにさせてくれます。 

 

BTSのプロジェクトの一部に関われたことは本当に素晴らしい経験でした。僕自身アジア人として、音楽業界で身を立て始めたときは躍起になっていました。仕事をやめてニューヨークに移り、人々の注目を集めようとレコード会社の前に立ってパフォーマンスをしていました。音楽業界にいるような人を見れば誰にでも自分のCDを配っていましたし、すごく生意気な子供だったと思います。だって誰彼かまわず近づいて「音楽業界にいるの?僕の曲を聞いてみて。最高なんだ」って触れ回っていたんですから。その頃はYoutubeもSoundCloudもない時代で、自分の音楽を聞いてもらうプラットフォームもなかったんです。

なので昔ながらの手作りCDを配るというスタイルでやっていて、ソングライターになろうなんて気は全くありませんでした。アーティストになりたかった。曲を書いてプロデュースしてしましたが、それも単に自分の声をみんなに聞かせたかったからなんです。

その頃はDrakeもいなくて、トロントという街もたいして知られていなかった。今でこそ音楽的なバイブスとテイストの溢れる街として名を知られているトロントですが、当時はそうじゃなかった。だから「君、カナダ出身なんだね。イグルーに住んでるの?」なんて質問を本当に受けていたんですよ。 

 

しかも僕はフィリピン系。売り込みの時はミーティングに参加して自分の音楽を3,4曲聞いてもらうんです。ビッグレーベルの社長に会って音楽を聞いてもらう機会が何度かあったんですが、「この音楽素晴らしいね」と言ったあとに、部屋の中を見渡して「アーティストは誰?」って聞くんですね。でもみんなが僕を指差したあと、会話の流れが変わる。たいていの場合、「どうしたもんかな。君の見た目はちょっと変わってるから」みたいに言われてました。だからそれから10年後に、チャート史上に残るK-popバンドのシングル曲に自分が参加できたことに、ちょっとした詩的な正義のようなものを感じざるを得ないです。

(終)

【和訳】BTSはグランドセントラル駅でどうやって「トップシークレット」の撮影を行ったのか

2020年2月25日にThe New York Timesで掲載された記事を和訳しました。
(By Andrea Salcedo) 

 

 
↓原文記事(英語)↓

www.nytimes.com

 


BTSはグランドセントラル駅でどうやって「トップシークレット」の撮影を行ったのか

 

大人気K-popグループが"The Tonight Show"で見せたNYの象徴であるターミナル駅でのパフォーマンスの成功の裏には、大勢の関係者による作戦があった。

  

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韓国出身のボーイバンドであるBTSがグランドセントラル駅でパフォーマンスをする映像は、たった6分間のものだった。しかし"The Tonight Show Starring Jimmy Fallon"での目玉パフォーマンスとして、NYの象徴であるこの駅の、星座に彩られた天井の下でBTSのダンスが実際に収録されるまでには、2ヶ月近くの調整が必要だった。

BTSは何百万人ものファンと数え切れない賞を獲得してきた、グローバルな現象にもなっている大人気グループだ。去年、彼らのMVである"Boy with Luv"は24時間以内に7,460万ビュー数を獲得して新記録を作った。

毎日75万人の訪問者がいるターミナル駅の中で、彼らはどうやって撮影を成功させたのだろうか?

 

 

タイミングがすべて 

メトロノース鉄道の特別企画部門マネージャーであるメレディス・コンティ氏によると、"The Tonight Show"の制作チームがグランドセントラル駅を管理するメトロノース鉄道に会場撮影の予約をとりつけたのは去年12月のこと。
 
撮影日は2月8日に取り決められ、撮影当日の22:00頃に、ダンサー、マーチングバンド、カメラスタッフと制作チームのスタッフから構成される180人のクルーがグランドセントラル駅へと到着した。
 
「土曜日だったので普段より静かでした」とメトロノース鉄道の社長キャサリン・リナルディ氏は話した。「すべてが大成功に終わって大喜びしています。」

M.T.A.メトロノース鉄道の発着駅であり、地下鉄の4,5,6,7およびSラインが走るグランドセントラル駅は、この時点では通常通り営業していた(閉まるのは2a.m.)。しかし週末だったため普段に比べて利用者が少なかったんです、と語るコンティ氏は担当者としての14年間で何百もの作品の撮影を見守ってきた経歴を持ち、この日の撮影にも立ち会った。「たくさんの撮影を見てきましたが、今回の撮影はすばらしかったです。」

 

BTSを隠し通すための「トップシークレット」ミッションだった


バックアップダンサーとマーチングバンドは駅にあるヴァンダービルト・ホールとノースウエスト・バルコニーに待機してリハーサルを行い、その間にクルーは駅ホールで複数のカメラを設定した、とコンティ氏は話す。

 BTSのメンバーであるRM、ジン、Suga、J-Hope、ジミン、V、ジョングクは12a.m.に駅に到着。その時まだ駅は通常営業中だった。

"The Tonight Show"での彼らのパフォーマンスはサプライズだったため、一般人が彼らの姿をちらりとも見ないようにすることが最重要だった。「駅が空いている間は、彼らは公共の空間には現れませんでした。トップシークレットだったので」とコンティ氏。

"Tonight Show"からは本件についてコメントをもらえなかったが、「このエピソードはNYという街へのラブレター」であり、BTSは「最適任のゲストだった」であるとプロデューサーが公式Twitterでつぶやいている。

2 a.m.にターミナルの一般利用時間が終了、BTSはその後に初めてターミナルのフロアに足を踏み入れた。

駅の清掃員が床の清掃にやってくるまで彼らに残された時間は2時間。そこで彼らは、新作"Map of the Soul: 7"に収録されたシングル曲"ON"の完璧なパフォーマンスビデオを収録した。一般客が駅に入ってくるのは5:15a.m.だ。

 

 ジミー・ファロンとBTSが乗ったのは特別車両

月曜夜に放送されたこのエピソードには#FallonAsksBTS というコーナーがあり、7人のメンバーがファロン氏と一緒に地下鉄に乗りながら、ARMYという愛称で知られるファンからTwitterで寄せられた質問に答える時間があった。 「曲をつくるとき、先に頭に浮かぶのはメロディー?それとも歌詞?」などの質問を、ファロン氏がファンの代理でBTSに質問する。

NYCトランジットのカスタマーオフィス主任であるサラ・メイヤー氏によると、このコーナーが撮影されたのはR160という地下鉄の車両で、グランドセントラル駅での撮影が行われた2日後だったそうだ。

ファロン氏のチームが彼女たちに連絡をとったのも12月のこと。この車両は普段使われているものではない。通常運転はもうしておらず、TV番組や映画制作を含めた特別なイベント時に貸し出したり、新人研修時に使うものだという。  

「カメラが回っている間、電車は実際に動いていました」とメイヤー氏。電車の先頭と最後尾にいた二人の運転手がファロン氏とBTSを乗せた地下鉄を走らせ、彼らはBowery駅とCanal Street駅の間を行ったり来たりしたそうだ。

この撮影は平日の午後に8時間かけて行われたが、ここでも彼らは情報のリークを防ぐことができた。「この撮影について知っている人の数を最小限にしたかったので、慎重に行いました。」とメイヤー氏は話す。

 

あなたもグランドセントラル駅で撮影できる

グランドセントラル駅での大規模な撮影要請はTVや映画制作会社から毎年寄せられ、そのうち年間20~30を承認しているという。 グランドセントラル駅で撮られたシーンがで出てくる映画は"Men in Black II"や"The Proposal"(『あなたは私の婿になる』)。Funの"Carry On"やカーリー・サイモンの"Legend in Your Own Time"などのミュージックビデオにも登場する。撮影は通常、ラッシュアワーを避けてサービスに混乱が出ないように週末や夜間に行われるという。

特に手配の必要もなく手持ちカメラ一つで済むようなウェディング用の撮影や学生の自主制作映画などの小規模制作の場合は、ラッシュアワーを外した10a.m.~3p.m.の間に行われることが多い。こうした撮影は年間500ほど承認されている。クリスマス休暇で人の動きが多い11月から12月下旬の撮影は許可していないそうだ。

 

(果たして費用のほどは)

"The Tonight Show"はグランドセントラル駅構内での撮影を無料で行ったわけではない。駅で撮影するには、撮影を監視するためのスタッフ、電気技師、現場の安全管理担当者およびカスタマーサービス担当者などの人件費と、会場のレンタル費を支払う必要がある。しかし、Fallon氏の番組がBTSの撮影のためにいくら支払ったかは明らかにされていない。

"The Tonight Show"は特別編成の地下鉄を借りるための費用も支払っている。「この企画にはとても興奮しました。ジミー・ファロンとBTSは多様なコミュニティーにいる人々をひとつにしてくれますし、それこそがNYCTA(ニューヨークシティトランジット)が提供している価値そのものだからです。良いシナジーがありました。」とメイヤー氏は語った。

しかし最後にレンタル費用の話に戻ろう。MTA(ニューヨーク市地下鉄)が「私たちの地下鉄に乗ってくれてありがとう」とBTSとジミー・ファロンに当ててTwitterでメッセージを投稿したところ、利用者の一人から「もらったお金を使ってさっさと車両の修理をしてくれよ」というリプライがついていた。

(終)

 


BTS Performs "ON" at Grand Central Terminal for The Tonight Show

 

 


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【和訳】「親しみたっぷりと、でも荘厳にスタジアムに響き渡る曲」Arcadesが"Inner Child"とBTSのVについて語った。

2/21にmetro.co.ukで公開された記事を和訳しました。

↓原文記事(英語)↓

metro.co.uk

 

「親しみたっぷりと、でも荘厳に、スタジアムに響き渡る曲」Arcadesが"Inner Child"とBTSのVについて語った。

 

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プロデューサーのArcadesによると、BTSの新譜Map Of The Soul: 7に収録されているメンバーVのソロ曲は「スタジアムコンサートにぴったりの曲。」マット・トムソンとマックス・グラハムの二人で結成されたプロデューサーデュオのArcadesはBTSの新しいアルバムでもその手腕を発揮し、Vと組んで新たにInner Childという曲を生み出した。

Map Of The Soul: Personaに収録されたMikrokosmosとJamais Vuの2曲もプロデュースした彼らは、最新作でも同じようなバイブスを表現したかったと語る。「この曲はMikrokosmosと同じく、スタジアムで歌うのにぴったりの曲なんだ」とマットはMetro.co.ukに話した。「この曲を作っていたときにプロダクション側から言われた唯一のことは、この曲が巨大なスタジアムで演奏されるということ。だから制作時には常にそのことを念頭に置いていたよ」

マックスは「Inner ChildはJamais VuよりもMikrokosmosに近いと思う。アコースティックギター特有の語りかけるような曲にしつつも、スタジアム特有の荘厳な瞬間にふさわしいものにしたんだ」と話し、またBTSがコンサートのラストにMikrokosmosを歌っているのを見たときは「涙が出た」と付け加えた。

マットとマックスはBTSの事務所であるBig Hit Entertainmentからかなりの裁量権を渡されているので、自分たちで自由に曲づくりを始動させることができるし、幸運なことに、もともとのアイデアとは全く逆の音楽を提供してみることさえある。

「日によって違うけど、僕たちは今の自分たちが感じている方向性でやっているし、まめな報告もしていない」とマックス。「彼らから特別な要請があることもないし、いくつかリクエストがあったとしてもあえてそれに捉われず音作りをすることもある。Inner Childはそんな風に出来上がった。」

Arcadesはギターやメロディー含めたプロダクションの達人だが、ラップのパートは、秀逸なスキルを誇るBTSのラップライン(RM、Suga、J-Hope)と長期のコラボ仲間であるPdoggに委ねているとマットは告白する。「僕はスコットランド出身。ラップするスコットランド人って知ってる?僕たちの得意分野ではないんだ」と彼は冗談めかして付け加えた。「少しずつ人気が出てきてるけど、まだまだ成功したといえるラッパーは出ていないと思う。」
 

「'Jamais Vu'は最初のバージョンではラップパートがなく、完全にバラード作品として制作していた。Pdoggがこの曲にラップパートがあると素晴らしいんじゃないかと言って彼のスタジオでラップを組み込んだ。そのあと新しいバージョンの音源を僕たちに送ってくれて、それを元にさらに仕上げたんだ。こうやってチームプレイでつくりあげてる。」

彼らの最新のチームワークが世界に向けて発信され、ARMYはついにBTSの最新の音楽を聞くことができるようになった。さて、BTSと何度か一緒に仕事をしてみて、マットとマックスに推しメンバーができたのだろうか?実は彼らの推しは同じ二人。J-Hope(Arcadesの曲である"In The Air"を2018年にプレイリストに入れていたのも彼だ)と、もちろん、Vである。
 

マットはVのことを本名のテヒョンを省略してTaeと呼び、「僕にとって彼はスーパークールなアーティスト」と話す。「BTSはみんなスーパークールだけどね。僕もマックスもインディーズ出身なんだけど、よくジョン・レノンを気取って街を散策していたんだ。ベレー帽と、ジョン・レノン風サングラスとかを身にまとって。つまり前からそういうアーティストに憧れてきたタイプ。Vにも同じ種類のもの(訳注:おそらくファッション性、カリスマ性)を感じるんだ。アコースティックギターでささやきかけてくるような彼のソロ曲Winter Bearを聞いてもそう思う。Taeの声は素晴らしくて、ファッションもスーパークール。しかも、誰に対しても隔てなくいい人のようだ。」 

2月21日の今日、BTSの新アルバムをそれぞれ購入したあと彼らはスタジオにこもり、Stewart Brock of Pridesが3/13に出す予定のシングルと、とあるK-popグループの曲の制作にはげむという。多忙なせいで自分たちのアルバム制作を進める時間があまりないそうだ。

「シングルはその曲に集中して制作にあたられるからずっと楽。アルバムの場合は1回の制作で集中できるのは1つか2つの曲だけで、その間他の曲は忘れられてしまうから難しい。BTSのファンたちはアルバム全体をとても真剣に聞いてくれるけど、作り手にとっては、一つの曲を制作するときは他のたくさんの曲を頭から追い出さないといけない。同時に集中してつくれるのは1,2曲が限度だからね。」

 

(終)



防弾少年団のファンが趣味で翻訳している個人ブログです。翻訳の正確性に責任は持てません。細かい訳漏れ、訳抜けなどある場合がございますのでご了承ください。無断転載はお控えください。和訳を別ブログで紹介していただく場合は、この記事のリンクURLも引用元として貼り付けお願いします。 

 

 

【和訳】   ‘Map of the Soul: 7’でポップ音楽の圧倒的な実力を見せつけたBTS 

2020年2月24日に公開されたRollingStoneの記事を和訳しました。


↓原文の記事(英語)↓

www.rollingstone.com

 

  ‘Map of the Soul: 7’でポップ音楽の圧倒的な実力を見せつけたBTS 

K-Popボーイバンドの最新ヒットアルバムは、数々の実験的な音楽スタイルが見事に合流した作品である。 
★★★★☆
 
 
By Rob Sheffield    
 

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 BTSのようなグループはこれまでいなかった。このK-pop界の王様は、ありきたりな妥協を何一つ行うことなく、ソウルのサウンドをアメリカチャートに持ち込んで首位を獲得した。英語での曲も、ノベルティも、セレブに迎合してのデュエット曲もなく。Halseyとのコラボ曲である"Boy with Luv"ですら、Halseyは自分のパートを韓国語で歌い、この曲は去年のチャートに10位以内という彼らにとっての米国内の最高記録を残した。
 

彼らは自分たちの思い通りにアメリカ進出を果たし、自分たちの音楽スタイルを何一つ薄めることなくスタジアムを満席にした。彼らは逆に自分たち以外の世界に、方向転換をさせたのだ。音楽業界を長年見守る専門家であれば、こんな業績は完全に不可能だと彼らに助言していただろう。しかしBTSは、まったく新しいグローバルなポップミュージック現象を巻き起こし、自分たちのやり方で勝利をおさめ、これまで業界の常識とされてきたものは完全に間違っていたと証明した。ソウルからやってきた若い反逆者たちを止められる者はいない。
 
 
すでにその名が知れ渡っているメンバーたちを改めて称えさせてほしい。RM、Suga、ジン、ジョングク、ジミン、V、そしてJ-Hope。それぞれ魅力的な若者である。彼らは毎年、グラミー受賞式にほんのすこしだけ現れる。今年はLil Nas Xに混じって”Seoul Town Road”のパフォーマンスを行い、去年は観客に混じってドリー・パートンの”Jolene”を歌っていた。しかしそんな短い時間でも観客の注目を独占するには十分だった。 
 

実はBTSが偉大なポップグループになった背後には、彼らが有名になればなるほどどんどん不思議な方向へと貪欲に進化していったことがある。彼らはヘルマン・ヘッセやカール・ユングからインスパイアされたコンセプトアルバムをつくりあげる。彼らはフリードリヒ・ニーチェとジャスティン・ビーバーの名前を同じように口にするボーイバンドだ。新作Map of the Soul: 7では、彼らはKissやウータンクランと同じようなレベル感の、伝説的なアイドルが寄り集まったオールスターチームのような存在感を見せ、自分たちの手で精巧に築きあげた神話的なユニバースを展開している。言うなればRMが彼らのジーン・シモンズ(※Kissのベーシスト、ボーカリスト)で、J-Hopeはおそらく彼らのエース・フレーリー(※Kissの創設メンバーでギタリスト)といったところだろう…これは日が落ちるまで議論が終わらないタイプの話題だが。 
 
 
Map of the Soul: 7はこれまでの彼らの作品の中でもっとも素晴らしいアルバムだ。派手なラップからスローなダンスバラード、ポストスウェディッシュエレクトロポップから哲学的思索に満ちたプログレまで、様々なポップスタイルを見事に披露している。 7年間をともに過ごした7人のメンバーは、アルバムの中でこれまでの日々を振り返りこれからの未来を見つめ直す。いくつかの収録曲は去年発売されたEP、Map of the Soul: Personaでおなじみのもの。サグ感に溢れた強烈なヒップホップトラックの”Dionysus”、意外なつながりでエド・シーランがクレジットに名を連ねた”Make It Right”が登場する。また”Intro: Persona”で、RMは「スーパーヒーロー」という英単語について韓国語でラップする。スーパーヒーローに憧れ、ついにスーパーヒーローになったが、実はそこからがすべての始まりだと気づいたこと。 
 
 
非常に広範囲で変化に飛んだ音楽が味わえる74分間のこのアルバムでは様々な実験的な音楽スタイルが登場し、そのせいもあって"Persona"という曲がなじみの深いものに思える。BTSは常により広いテーマに全力で取り組んできた。2013年の彼らのヒット曲であるN.Oを逆転させてタイトルにした”ON”(Siaとデュエット)は、ファンにもよく知られたグループのこれまでの歩みをベースにしている。”Louder Than Bombs”(トロイ・シヴァンも作曲に参加)は、彼らの音楽的な洗練を凝縮したような贅沢なエモーショナルバラード。この曲ではファルセットのハーモニーとともに、「ベイビー、僕は無よりも虚無で、光よりも明るいんだ」と歌うRMのラップが味わえる。“Black Swan”と“00:00 (Zero O’Clock)”はともに、懐疑心と恐れに満ちた傷つきやすい告白の歌だ。ジンの”Moon”はThe Smithsの歌といっても通用するほどの珠玉のギタートラックで、月の少女をリスナーたちに重ね合わせて愛を歌うコズミックなラブソングである。
 
 
 “We Are Bulletproof: The Eternal”もまた、自ら名乗った「防弾少年団」という名前にまつわる無敵のテーマソング。一方”Friends”はVとジミンが異なるボーカルスタイルで掛け合いつつ、ソウルメイトとしてお互いを受け入れる曲だ(90年代のR&Bファンなら、ミッシー・エリオットとアリーヤのデュエット曲”Best Friends”を思い出して懐かしむだろう。)グループでもっともアクロバティックなダンサーであり、アップビートな音楽に定評のあるJ-Hopeが歌う完全に自伝的な“Outro: Ego”は、アルバムのなかでもっとも驚くべき瞬間を聞き手に届けてくれる。この曲には2013年のデビューアルバムである2 Kool 4 Skool から80年代風のラップイントロのサンプリングが使われている。曲中、J-Hopeは一体彼をスターへの道に駆り立てた幼少期の切望感の正体はなんだったのかと想いを馳せ、「踊ることで幽霊を追いかけていたんだ」と認める。 
 
 
しかしこのアルバムの頂点は、Sugaによる”Interlude: Shadow”である。そこでSugaは若い頃の夢を振り返り、“I wanna be a rap star / I wanna be the top / I wanna be a rock star / I want it all mine.”と復唱する。彼は韓国語で、名声を得ることの恐怖、空中に浮かび上がって自分の体を見下ろすことの恐怖についてラップする。(簡単な翻訳になるが、「ここがこんなに孤独だなんて誰も教えてくれなかった。俺の影がどんどん大きくなって俺を呑み込み、怪物になる」という歌詞である。)時に自信たっぷりで、時に神聖なささやきのような彼の変化に富む声が組み合わされ、時に韓国語から英語、そして“Don’t let me flyyyy”という咽び声へと変化する。これはデービッド・ボウイの“Space Oddity”やエルトン・ジョンの”Rocket Man”のSugaオリジナルバージョンと言ってもいいだろう。ひっそりとパーソナルでありつつも熱狂的なほどに普遍的な印象を受ける曲で、BTSの強さを象徴するような重要なトラックである。   
 
 
 
 防弾少年団のファンが趣味で翻訳している個人ブログです。翻訳の正確性に責任は持てません。細かい訳漏れ、訳抜けなどある場合がございますのでご了承ください。無断転載はお控えください。和訳を別ブログで紹介していただく場合は、この記事のリンクURLも引用元として貼り付けお願いします。 
 
 
 
 
 
 

 

【和訳】Map of the Soul: 7をリリースしたBTSが過去と制作過程、インスピレーションについて語る

2020年2月21日に公開されたVariety(ジェフ・ベンジャミン氏)の記事を和訳しました。

↓原文記事(英語)↓

variety.com

Map of the Soul: 7をリリースしたBTSが過去と制作過程、インスピレーションについて語る

 

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↓インタビューの様子↓

https://youtu.be/7fVQGcvgmEQ

 

 

チャート首位に上り詰めた数々のアルバムと世界最大級の規模のコンサートの成功を経てさらに輝きを増しているBTS。彼らが本日リリースした"Map of the Soul:7"は先行予約だけで全世界で何百万部の売り上げがあると言われており、その言葉の定義はなんであれ、このアルバムの「成功」は間違いなしと言えるだろう。しかしスターとしての今のステータスに安住する代わりに、BTSはさらに自らの内面を見つめてその中に深く潜り込み、音楽を通じて自分たち自身のことを聞き手に分かち合おうとしている。


2月21日の本日リリースされた"Map of the Soul: 7"でBTSは前作に引き続き自らのパーソナルな物語を明かしているが、その物語は前作よりもさらに自己認識を持って描かれている。

"UGH!"でRMとJ-HopeとSugaが自分たちを中傷する人々の怒りから自らを解放する一方で、ジミンとVはお互いの違いにも関わらず自分たちを「ソウルメイト」だと"Friends"で宣言する。ジンは飛翔感のある"Moon"で心のこもった手紙をファンに向けて綴り、最年少のジョングクは高揚感に溢れた"My Time"でBTSというグループの中で成長したこれまでの人生を振り返る。これらの曲で垣間見えるのは、これまでに見たことのないメンバーの一面だ。

 

BTSがVarietyに語ったところによると、こうした成功を夢見てはいたがここまで登り詰めることができるとは予想もしていなかったし、その成功を疑問に思うこともあったそうだ。しかし表面上のことばかり気にしたり外部の助けが必要なのではと考える代わりに、彼らはこれまで歩いてきた道のりを歩み続けることが正しい道なのだと信じることにした。

"Map of the Soul:7"には7人のパーソナルな曲が多数あるだけでなく、初期のBTSの曲にあったテーマやアイデアに再び取り組むことより過去作を踏襲し、今の自分たちの成長を映し出すアルバムとなっている。新しいシングル曲"ON"は初期シングル"N.O"の再解釈であるし、また"We Are Bulletproof: the Eternal"は2013年のシングル"We are Bulletproof Pt.2"の続編で、さらにアルバムのエンディングに収録されている"Outro: Ego"にはBTSのデビューアルバム"2 COOL 4 SKOOL"から複数のサンプリングが使われている。


 
以下、アルバム"Map of the Soul: 7"の創作プロセスにまつわるメンバーの見解を聞いた。

過去作品を引用しながらも作品を次の次元に持っていくことを可能にしたインスピレーションとはどんなものでしたか?

ジン:僕たちはあらゆることからインスピレーションを得ています。ファンからも、メンバーお互いからも、自分自身からも。


Suga:アルバムのタイトルは"Map of the Soul: 7"です。7年間一緒に過ごし、メンバーは7人。このアルバムには単なるインスピレーションだけでなく、僕たちの物語が詰まっています。


"Map of the Soul: 7"の制作プロセスを振り返って、過去作との違いはなんでしたか?

 Suga:前作と違っていて面白かったポイントは、このアルバムに参加したメンバーが増えたことです。これまであまり参加しなかったメンバーが積極的に参加したことはとても重要だと思います。



今年、BTSを取り巻く熱狂は別次元に到達しました。"The Tonight Show"に再び出演するだけでなく、グランドセントラル駅を占拠したそうですね。新しいアルバムの出陣に向けてどんなことを考えていますか?

RM:外側についてはレーベルに任せています。音楽、パフォーマンスと練習など、僕たちは常に中身のことにだけ集中しています。この方法がベストだと思いますが、他に誰もしたことがないことをしているので、新しいアルバムを出すたびに「どうやってこれをプロモしよう?」「どうすればいいんだ?」って頭痛がします。例えばグランドセントラル駅がどれほど広い場所なのかも僕たちは知らなかったんですが、ジミー・ファロンのショウの収録でジミーに実際に会ってみて、「OK、これはビッグなイベントだな」と実感したという感じです。

 

あなたたちにとってはこれまでを振り返る時期のようでもありますね。過去の曲からインスピレーションを受けた曲がたくさんあるようです。

RM :キャリアに関して言えば、意図してないことがたくさんありました。こんなポジションに到達するとは予想さえしていなかった。もちろんもっとビッグになってできるところまで高く登り詰めたいとは思っていましたが、ここまでのエネルギーやリアクションを世界中からもらうようになるとは思ってもみなかったです。いつだったか、朝起きて「ここはどこだろう?」となってしまった日もありました。行き先がわからなくなったら、これまで歩いてきた道を振り返って戻ってみるのが一番です。なので過去曲のリブートは、僕たちはどこにいるのか、何をしているのか、過去の僕たち、今の僕たちは誰なのかを考え直すための最良の方法だと思いました。



自分について新たに学び直していると感じますか?

ジミン:振り返る機会を与えられることはとても大事です。振り返って自分を見つめ直す機会をくれた僕たちのファンに心から感謝しています。



これからを見据えて、あなたの人生の道のりで成し遂げるべき次のゴールは何ですか?
ジミン:Hey, come on!!!
Suga:グラミーのノミネートですね。あとはパフォーマンス…
RM:ソロのパフォーマンスですね
Suga:そして、もしかして賞を取れたら。



アルバムが数時間前に出たばかりですが、公開日にシェアしたいメッセージはありますか?

Suga:ぜひ聞いてください。
ジョングク:このアルバムには僕たちの誠意と心からのメッセージが込められています。
J-Hope:僕も、「ぜひ聞いてください」と言いたいです。このアルバムのおかげで僕は自分についてたくさん考える機会をもらって、それで得たものの多くを音楽に込めたので。
V:僕たちの音楽がみなさまに少しでも癒しを与えられたらいいなと思います。癒しだけでなく、安息とか、安心感とか、お休みとか。



このアルバムの中でお気に入り曲は?

Suga “UGH!”
RM “00:00 (Zero O’Clock)”
ジン:“Moon”
J-Hope“Friends”
ジミン: “On”
ジョングク: “My Time”
V:“UGH!”

 

 

 

 

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【和訳】インターネットで議論が止まらない、BTS "Black Swan"3つのポイント

1/17にRefinery29で公開された記事を一部和訳しました。


↓オリジナルの記事(英語)↓

www.refinery29.com

インターネットで議論が止まらない、BTS "Black Swan"3つのポイント
 


BTS (방탄소년단) 'Black Swan' Art Film performed by MN Dance Company

  
 


マーサ・グラハムの引用

 
"ダンサーは二度死ぬ。最初は踊りをやめたとき。そして一度目の死は二度目よりも苦しい" 
"Black Swan"のMVはダンサーである故マーサ・グラハムの引用で幕をあけ、この引用の根底にある心情は"Black Swan"の曲中に散りばめられている。ダンスを通じての自己表現ができなくなった時に目的を失ったと感じるダンサーと同じように、音楽が彼らを以前と同じぐらいの情熱で満たさなくなる日が来たら、もしくは彼らが人生の目的だと感じている音楽をやめる日が来たとしたら、自分たちは死と同じものを感じるだろうとBTSは曲中で語る。リーダーのRMはこう歌う。"もう共鳴しなくなるとしたら/俺の心臓が震えなくなるとしたら/これが俺の最初の死になるんだろう"。
数え切れないぐらいの記録破りの栄誉や、手に入れた巨額の富や、日に日に大きくなる名声を持ってしても、彼らはアーティストであるとBTSは断言する。彼らにとって一番大きな意味を持つのは、彼らがつくる、音楽や映像やダンスという芸術なのである。
BTSもBig Hit EntertainmentのCEOであるパン・シヒョクも、作品づくりが最優先の事項だと明確に示してきた。ファンもそれを知っている。これは、たとえ自分たちの周囲から懐疑心を持たれたとしても、BTSに情熱を注ぐ理由としていつもARMYが行き着く事実でもある。しかし今回の力強い宣言は、最年長メンバーのジンの入隊が近いとされるこのタイミングを考えると、さらに重要性を帯びる。また先日、ロンドン、ベルリン、ブエノスアイレス、ソウル、NYの都市で22人のアーティストの作品を展示する"Connect, BTS"というグローバルなパブリックアートのプロジェクトがアナウンスされたばかりだ。
BTSは世界中のアーティストをつなげて向上させることを通じて、芸術はどんなことがあっても生き残るんだと言っているようにも見える。仮に直接彼らを通じてではなくても、世界中の様々な人たちを通した形で。BTSがアートフィルムに自分たちが出演する代わりにダンスカンパニーを起用した理由も、ここにあるのかもしれない。
 
 
 

振り付け

 
感情に訴えかける彼らの振り付けには毎回たくさんの隠れた意味づけが織り込まれているが、MN Dance Companyによるアートフィルムに繰り返し出てくる動きには、"Black Swan"という曲の意味と緊張感が可視化されているようだ。
BTSのメンバー7人に対してダンサーも7人。そのうち一人は「スワン」を象徴しているように見える。彼は自分の周りの人々から常に拘束されて押しやられている。途中で光の当たる鳥かごが現れるが、これによりスワンが自分を縛る暗闇から逃げられないということがいっそう明確になる。
ファンはまた、ダンサーたちはBTSのエゴとシャドウを象徴しているのではないかと解釈する。Map of the Soul: 7は2019年のEPであるMap of the Soul: Personaに続くアルバムだが、このPersonaはスイスの心理学者であるカール・ユングによる、人間の心理には主要な原型(ペルソナ、シャドウ、エゴ、セルフ)があるという考えに触発されたものだ。ラッパーのSugaはMap of the Soul 7の中に収録される曲中で、有名人に永久につきまとう"シャドウ"と暗闇について歌った。ファンの解釈では、"Black Swan"のスワン役であるダンサーはBTSのエゴの象徴であり、他のダンサーたちと競い合おうともがき、"シャドウ"が彼らを後ろから引き止めている。

しかしパフォーマンスに希望がないわけではない。シークエンスの最後にエゴが勝利を得てシャドウの上に堂々と立つ。暗闇が完全に去ったわけではないが、暗闇と調和して生きていく方法はあるのだ。
 


歌詞と音作りについて

 
ファンはまた、この曲の歌詞には彼らの過去作品の隠しトラックとの類似点があると指摘する。希望の持つ力と危うさを扱ったLove Yourself: Herの隠しトラック"Sea"の歌詞との類似("僕は音のない声をあげた/すべての光が沈黙に沈み込む海")、また、一人前のアーティストになるための旅路についての彼らの考えを歌にしたデビューアルバム2 Cool 4 Skoolの隠しトラック"道"の歌詞との類似である。("それは道を失った僕の足首を再びつかむ/ どんな音も僕には届かない")
 
ARMYの多くは、この曲でオートチューンが多く使われていることについても活発に議論している。7人それぞれの美しい歌声が変形してしまったと考えて憤慨するファンもいれば、これもまたこの曲のメッセージを伝える大事なツールだと考えるファンもいる。
  
お互いの声を識別が難しい状態にしていることは、7人のメンバーがひとつに調和しているというメッセージだと解釈することができる。音声処理をしてより機械的な音声に仕上げていることも、情熱が枯れ果てたときに自らの主体性と創造性を失うことを象徴しているのかもしれない。
 
 

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