BTS(防弾少年団)英語→日本語 翻訳の部屋

「防弾少年団」(BTS)が取り上げられた英語媒体の記事やニュースをファンが和訳して載せているブログ。翻訳には意訳部分も多くなりますのでご了承ください。

【和訳】BTSはグランドセントラル駅でどうやって「トップシークレット」の撮影を行ったのか

2020年2月25日にThe New York Timesで掲載された記事を和訳しました。
(By Andrea Salcedo) 

 

 
↓原文記事(英語)↓

www.nytimes.com

 


BTSはグランドセントラル駅でどうやって「トップシークレット」の撮影を行ったのか

 

大人気K-popグループが"The Tonight Show"で見せたNYの象徴であるターミナル駅でのパフォーマンスの成功の裏には、大勢の関係者による作戦があった。

  

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韓国出身のボーイバンドであるBTSがグランドセントラル駅でパフォーマンスをする映像は、たった6分間のものだった。しかし"The Tonight Show Starring Jimmy Fallon"での目玉パフォーマンスとして、NYの象徴であるこの駅の、星座に彩られた天井の下でBTSのダンスが実際に収録されるまでには、2ヶ月近くの調整が必要だった。

BTSは何百万人ものファンと数え切れない賞を獲得してきた、グローバルな現象にもなっている大人気グループだ。去年、彼らのMVである"Boy with Luv"は24時間以内に7,460万ビュー数を獲得して新記録を作った。

毎日75万人の訪問者がいるターミナル駅の中で、彼らはどうやって撮影を成功させたのだろうか?

 

 

タイミングがすべて 

メトロノース鉄道の特別企画部門マネージャーであるメレディス・コンティ氏によると、"The Tonight Show"の制作チームがグランドセントラル駅を管理するメトロノース鉄道に会場撮影の予約をとりつけたのは去年12月のこと。
 
撮影日は2月8日に取り決められ、撮影当日の22:00頃に、ダンサー、マーチングバンド、カメラスタッフと制作チームのスタッフから構成される180人のクルーがグランドセントラル駅へと到着した。
 
「土曜日だったので普段より静かでした」とメトロノース鉄道の社長キャサリン・リナルディ氏は話した。「すべてが大成功に終わって大喜びしています。」

M.T.A.メトロノース鉄道の発着駅であり、地下鉄の4,5,6,7およびSラインが走るグランドセントラル駅は、この時点では通常通り営業していた(閉まるのは2a.m.)。しかし週末だったため普段に比べて利用者が少なかったんです、と語るコンティ氏は担当者としての14年間で何百もの作品の撮影を見守ってきた経歴を持ち、この日の撮影にも立ち会った。「たくさんの撮影を見てきましたが、今回の撮影はすばらしかったです。」

 

BTSを隠し通すための「トップシークレット」ミッションだった


バックアップダンサーとマーチングバンドは駅にあるヴァンダービルト・ホールとノースウエスト・バルコニーに待機してリハーサルを行い、その間にクルーは駅ホールで複数のカメラを設定した、とコンティ氏は話す。

 BTSのメンバーであるRM、ジン、Suga、J-Hope、ジミン、V、ジョングクは12a.m.に駅に到着。その時まだ駅は通常営業中だった。

"The Tonight Show"での彼らのパフォーマンスはサプライズだったため、一般人が彼らの姿をちらりとも見ないようにすることが最重要だった。「駅が空いている間は、彼らは公共の空間には現れませんでした。トップシークレットだったので」とコンティ氏。

"Tonight Show"からは本件についてコメントをもらえなかったが、「このエピソードはNYという街へのラブレター」であり、BTSは「最適任のゲストだった」であるとプロデューサーが公式Twitterでつぶやいている。

2 a.m.にターミナルの一般利用時間が終了、BTSはその後に初めてターミナルのフロアに足を踏み入れた。

駅の清掃員が床の清掃にやってくるまで彼らに残された時間は2時間。そこで彼らは、新作"Map of the Soul: 7"に収録されたシングル曲"ON"の完璧なパフォーマンスビデオを収録した。一般客が駅に入ってくるのは5:15a.m.だ。

 

 ジミー・ファロンとBTSが乗ったのは特別車両

月曜夜に放送されたこのエピソードには#FallonAsksBTS というコーナーがあり、7人のメンバーがファロン氏と一緒に地下鉄に乗りながら、ARMYという愛称で知られるファンからTwitterで寄せられた質問に答える時間があった。 「曲をつくるとき、先に頭に浮かぶのはメロディー?それとも歌詞?」などの質問を、ファロン氏がファンの代理でBTSに質問する。

NYCトランジットのカスタマーオフィス主任であるサラ・メイヤー氏によると、このコーナーが撮影されたのはR160という地下鉄の車両で、グランドセントラル駅での撮影が行われた2日後だったそうだ。

ファロン氏のチームが彼女たちに連絡をとったのも12月のこと。この車両は普段使われているものではない。通常運転はもうしておらず、TV番組や映画制作を含めた特別なイベント時に貸し出したり、新人研修時に使うものだという。  

「カメラが回っている間、電車は実際に動いていました」とメイヤー氏。電車の先頭と最後尾にいた二人の運転手がファロン氏とBTSを乗せた地下鉄を走らせ、彼らはBowery駅とCanal Street駅の間を行ったり来たりしたそうだ。

この撮影は平日の午後に8時間かけて行われたが、ここでも彼らは情報のリークを防ぐことができた。「この撮影について知っている人の数を最小限にしたかったので、慎重に行いました。」とメイヤー氏は話す。

 

あなたもグランドセントラル駅で撮影できる

グランドセントラル駅での大規模な撮影要請はTVや映画制作会社から毎年寄せられ、そのうち年間20~30を承認しているという。 グランドセントラル駅で撮られたシーンがで出てくる映画は"Men in Black II"や"The Proposal"(『あなたは私の婿になる』)。Funの"Carry On"やカーリー・サイモンの"Legend in Your Own Time"などのミュージックビデオにも登場する。撮影は通常、ラッシュアワーを避けてサービスに混乱が出ないように週末や夜間に行われるという。

特に手配の必要もなく手持ちカメラ一つで済むようなウェディング用の撮影や学生の自主制作映画などの小規模制作の場合は、ラッシュアワーを外した10a.m.~3p.m.の間に行われることが多い。こうした撮影は年間500ほど承認されている。クリスマス休暇で人の動きが多い11月から12月下旬の撮影は許可していないそうだ。

 

(果たして費用のほどは)

"The Tonight Show"はグランドセントラル駅構内での撮影を無料で行ったわけではない。駅で撮影するには、撮影を監視するためのスタッフ、電気技師、現場の安全管理担当者およびカスタマーサービス担当者などの人件費と、会場のレンタル費を支払う必要がある。しかし、Fallon氏の番組がBTSの撮影のためにいくら支払ったかは明らかにされていない。

"The Tonight Show"は特別編成の地下鉄を借りるための費用も支払っている。「この企画にはとても興奮しました。ジミー・ファロンとBTSは多様なコミュニティーにいる人々をひとつにしてくれますし、それこそがNYCTA(ニューヨークシティトランジット)が提供している価値そのものだからです。良いシナジーがありました。」とメイヤー氏は語った。

しかし最後にレンタル費用の話に戻ろう。MTA(ニューヨーク市地下鉄)が「私たちの地下鉄に乗ってくれてありがとう」とBTSとジミー・ファロンに当ててTwitterでメッセージを投稿したところ、利用者の一人から「もらったお金を使ってさっさと車両の修理をしてくれよ」というリプライがついていた。

(終)

 


BTS Performs "ON" at Grand Central Terminal for The Tonight Show

 

 


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