BTS(防弾少年団)英語→日本語 翻訳の部屋

「防弾少年団」(BTS)が取り上げられた英語媒体の記事やニュースをファンが和訳して載せているブログ。翻訳には意訳部分も多くなりますのでご了承ください。

【2/2】BTSの生みの親が語る、K-Pop界スーパースターの創設秘話 

2019年10月に投稿されたTIMEのweb記事を2回にわけて和訳します。こちらは後半です。 

 

 
↓オリジナルの記事(英語)↓

time.com

  

 

↓和訳前半↓

www.bts-jpntrans.net

 

 

つい先日、K-popの現役・元アイドルが違法行為に関与していたとされる事件がありました。K-pop界でのこうした騒動を見て、自分はこうした問題を避けるための方法をBTSや他の訓練生に訓練生に授けたと感じていますか?

 

わかりません。確かに訓練生時代から彼らに自由を与え責任について教育したことが、こうしたスキャンダルの予防につながったと説明することもできます。しかしそれは結果論です。今現在の訓練生の仕組みは、ある意味で教育機関に似たものになっています。私たちはチームとして、アーティストに可能な限りのベストな環境をどうやったら提供できるかということをたくさん話し合います。 しかし、だからK-pop業界でのスキャンダルを避けることができたのだと言い切ることはできないです。

 

 

 K-pop業界の音楽は会社が大量生産するとか、大人が若いアーティストに素材を与えて作らせるトップダウンの仕組みだという認識がありますが、それは正しいでしょうか?

 

まず言いたいのは、西欧社会にはロックスターにまつわる大きな幻想があるということです。ロックスターというのは自分の魂のままに行動するし、我々はそれを彼らの個性として受け入れなくてはならない。そしてそれを通じて初めていい音楽がつくれる、というような。しかし現実には、長時間を投じて音楽に関連するスキルを磨き上げて訓練するという戦術は、プロフェッショナルな芸術の世界ではよく使われているものです。バレリーナは孤立した環境でバレエに特化した訓練を長い時間かけて積みますが、だからといってバレエに魂がこもっていないとかバレエは芸術じゃないなんていう人はいない。ものの見方の問題だと思います。

 

また、アメリカではメジャーなレーベルと契約するまでの何年もの期間をアンダーグラウンドで活動することが一般的です。韓国ではそれが訓練生としての期間になります。ただどちらのシステムが良いアーティストを生み出すかについては議論の余地があると思います。付け加えると、アーティストは自分の作った曲を歌ってこそ良い結果がついてくるという考えも、必ずしも真実ではないと思っています。歌手というのはなによりもまずパフォーマーであり、良いパフォーマンスはオーディエンスを納得させることができます。訓練生がスキル向上に時間を費やしすぎて人生の経験値が少なくなってしまうと、果たしてこの世界についての複雑な視点を持つミュージシャンになれるのかという懸念が生まれると私は考えています。

 


K-Pop's BTS On Why They're Unique, Their Parents' Generation & More | Next Generation Leaders | TIME

 

 

アーティスト自らが社会的大義や社会問題に心を寄せているということは、あなたにとってどれぐらい重要ですか?BTSには”Love Yourself”という現在進行形のストーリーがあり、国連と合同で活動を行い、メンバーもメンタルヘルスなどのトピックについて声を上げていますね。

 

社会問題について発言するかどうかは個人の選択です。彼らに望むものはただ誠実であること。何かを偽ることは許容できません。しかし会社も私も、特定の社会問題について語れとか語るななどと彼らに強制することはできません。個人的には、芸術は革命を起こすための最も力強い手段の一つだと思っていますし、アーティストが社会問題について声をあげることは望ましいと思っています。ただ彼らは自分たちがしたいときに発言しますし、彼らが何をすべきか、すべきではないかについて私が口を挟むことはありません。K-popについて一般の人たちが抱いている誤解の一つに、プロデューサーがアーティストのかなりの部分までコントロールしているというものがありますが、そんなことは不可能です。もしアーティストが何かを表現したくなったら、彼らのメッセージをより誠実な表現に、またより商業的に価値のあるものへと洗練させるのが私の仕事だと考えています。

 

 
「ロックスター」について言及されましたが、アメリカではアーティストは既存のものに反抗することで拍手喝采されるという傾向があり、独立心を持って「体制」と戦う姿勢に高い価値が置かれます。韓国文化の文脈から見たときに、アーティストとマネージメントの間にはもっと尊敬し合う関係性があると思いますか?

 

アジアの文化と西欧の文化は確実に違うと思いますが、それが社会に対しての反動にどう影響を与えているかというと…韓国には多くの革命の歴史がありますが、対人関係においては年上を敬うという文化があります。こうした文化だから声を上げやすい・上げにくいとか、西欧のアーティストはこうでアジアのアーティストはこうだと言うことはできませんが、一般的に、特にK-popでは、アーティストと会社はリスクをとることを好まない傾向にあります。

しかし体制との戦いに関して言うと、アメリカのアーティストは自分の追求したい音楽を追求できる限り、マネージメントと協力するケースが多いです。近年、そのほうが得られる収入源が多いからといって大きなレーベルと契約しないアーティストが増えていますが、それを体制に対する宣戦布告だとは思いません。事実、以前に比べて社会問題について声を上げる西欧のアーティストは減りつつあります。

 

 

あなたはBTSのメンバーにソロの仕事をする機会を常に与えてきましたが、それが彼らをK-pop界での唯一無二の立場に押し上げたのでしょうか?

彼らの唯一無二の立ち位置が個々の独立心から生まれたとはあまり思っていません。通常K-popアイドルの多くは、ある程度の成功を収めてからソロとしてのキャリアについて考え始め、マネージメントと話し合ってソロのプロジェクトを追い求めていきます。Big Hitが彼らに自由をたくさん与えているから、彼らがソロ曲を出しているわけではありません。他と違うのは、Big Hitがソロ曲をプロデュースしているのではないという点です。私たちはあくまでチームとしてのイメージを重要視していますが、もちろんメンバーは一人一人違う人間で、それぞれのアイデンティティーがあります。なので私たちは彼らがミックステープをつくるための応援とサポートをし、公式のソロプロジェクトよりも責任の少ない形で自分自身を表現できるようにしています。こうしたアプローチを取り始めてから、他の多くの会社も公式のソロプロジェクトの他に非公式のミックステープや無料トラックをリリースするようになりました。そういう意味でも、Big Hitが音楽業界を豊かにする手助けをしていると考えています。



あなたは先日ソースミュージックを買収して、新しいガールズグループの結成に関心を示していました。今はどんな動きですか?

 
(ソースミュージックグループの)GFriendについて、彼女たちはすでに素晴らしいコンテンツをリリースしています。我々がしようとしているのは、ストーリーラインとコンセプトを洗練させて整理し、彼女たちが次のプロジェクトに取り組むときに、新しいスタイルにたどり着く上での必然性が示せるようにすることです。また、ソースミュージックと合同でガールズグループのオーディションのプロモーションも行う予定です。アニメ・ファミリー映画というカテゴリにDisneyやMarvel、スターウォーズなどがあるように、K-popの良いところは保ちつつ、マーケットでのセグメンテーションに取り組んでいけたらと思っています。



まだ
ARMYの話をしていませんでした。あなたはWeverse(ファン向けアプリ)とWeplye-コマースのプラットフォーム)の開発や映画など、ファンを巻き込む様々なアイデアを企画していますが、BTSのファンとBig Hitのフォロワーが次に期待していいことは何でしょう?

 

まずは次のアルバムです。素晴らしい作品になります。BTSはYoutube時代のBeatlesだとか、21世紀のBeatlesだという人も多いことはご存知かと思います。とても光栄なことですが、彼らはまだそのような地位には達していません。しかし、こうした形容詞をつけてもらえる意味合いもあるとは思っていて、それはBTSがグローバルなファンダムを築き上げられたこと。これは非常にレアなことです。巨大なファンダムを通じて、彼らは流通の定義を書き換え、消費者との新しいコミュニケーションの形をつくっている。さらに彼らはこの時代特有の精神性を身にまとい、新しい音楽的なメッセージを作り上げた。そういう意味で、多くの人にBeatlesを思い起こさせるのだと思います。

この名誉ある称号を守りたいですし、Beatlesのように英雄的な存在として長く語り継がれることを願います。そこにたどり着くためには、メジャーなグローバル部門での認知を受け続けることができたら良いでしょう。グラミー賞で何かのリアクションを得られたら良いですね。ARMYは長い間、グラミーでのBTSのパフォーマンスを待ち続けてきました。幸運にもアカデミーのメンバーになれたので、これについてはグラミー選考チームとぜひとも話し合いをしていきたいと思っています。私たちはグラミーに貢献できる象徴的な価値を持っているはずですから。



(終)

 

原文記事の記者:Raisa Bruner氏

 

 

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