【和訳2/3】BTSはどうやって世界最大のボーイバンドになったか(The Guardian)
2018年10月11日に公開された、The Guardian US editionのBTS関連記事を翻訳しました。和訳記事は3回に分ける予定です。これは2回目の記事です。
オリジナル記事はこちら↓
1回目の和訳記事はこちらです↓
How BTS became the world's biggest boyband
BTSはどうやって世界最大のボーイバンドになったか
BTSはベテラン作詞家兼プロデューサーのパン・シヒョクが生み出したグループだ。パン氏は以前はK-pop業界大手のJYPで働いていたが、その後Big Hitエンターテインメントを設立、2013年にBTSをデビューさせた。韓国ではよく知られていることだが、K-popというのは、若いアイドルたちの生活含めすべてを見守るものだというのがそれまでの常識だった。だがパン氏はBTSに自主性を与え、自分たちでTwitterアカウントを管理したり、スタジオからのVlogをできるようにしたり、ラッパーたちがBig Hit社内のプロダクションチームと一緒に曲を書けるようにした。彼らの書く歌詞は繊細な感情表現と社会的な問題意識にあふれ、ときにはK-Popの気質に反するような怒りに近いものすらあった。例えば英語タイトル「シルバースプーン」で知られるBaepsae(ベプセ)は、自分たちの「呪われた」世代を代弁する内容の歌だ。
巨大なファンベースを持っているポップスターはみなそうだが、BTSも、熱狂的なファンの存在を歓迎しつつ、ファンとの間に距離をつくってしまわないよう細心の注意を払っている。「人気とは影のようなものです」と、もっとも真面目なメンバーであるシュガが話す。「この世には光と影がある。光と影はどんなときも自分についてきて、逃げることはできないですよね。でも僕たちはプライバシーを尊重してもらっていると感じます。美術館にもよく行きますが、特に誰にも邪魔されないし、ソーシャルメディアに上げるとしても、僕たちがいなくなってからにしてくれているようです」
「人気があまりにも加熱して一線を越えてしまうと、ストレスの元になってしまうかもしれませんが、ファンからの愛の印であることに変わりありません」と、元ストリートダンサーのJ-Hopeは話す。Pied Piperという曲中では、ファンの熱狂ぶりを冗談を交えてさとすような歌詞が出てくる。「動画を見るのをやめて試験勉強しなよ。君の両親や上司に僕は嫌われてる。僕の写真なら部屋にたくさんあるだろ」
こうしたBTSの驚くほど誠実な態度は、彼らが直近にリリースしたLove Yourselfアルバム三部作(LY: Her, Tear, Answer)のコンセプトを支えている。この三部作でBTSは、タイトル通り、自分自身を愛することについての物語を歌っている。国連でのRMのスピーチもこのテーマに呼応していた。「あなたが誰であっても、どこから来ていても、肌の色やジェンダーアイデンティティーがどんなものであっても、自分自身について話してほしい」。どちらかというとトーンが控えめなスピーチではあったが、大統領すら公に同性愛に反対している韓国では大きな反響があった。
BTSはこれまでの作品のなかで、村上春樹、アーシュラ・K・ル=グウィン、ユング、オーウェル、ヘッセ、ニーチェなどの著書をインスピレーションとして使ってきた。特にニーチェの影響は、愛とは運命的なもので決して揺るぐことがないという、アルバムLY:Herを通じて紡がれる運命論のなかに色濃く見られる(アルバムLY:Tearで、この考えは崩されることになるのだが)。ARMYはコンサート用のBluetoothで制御されたライトスティックに高額を投じる一方で、80年代のインディーズバンドのファンと同じように、BTSの世界観をしっかりと理解するためにこうした本を読んでいる。
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