BTS(防弾少年団)英語→日本語 翻訳の部屋

「防弾少年団」(BTS)が取り上げられた英語媒体の記事やニュースをファンが和訳して載せているブログ。翻訳には意訳部分も多くなりますのでご了承ください。

【和訳3/3】BTSはどうやって世界最大のボーイバンドになったか(The Guardian)

 2018年10月11日に公開された、The Guardian US editionのBTS関連記事を翻訳しました。和訳記事は3回に分けており、これは3回目の記事です。


オリジナル記事はこちら↓ 

www.theguardian.com

 

1回目の和訳記事はこちらです↓

www.bts-jpntrans.net

 

2回目の和訳記事はこちらです↓

www.bts-jpntrans.net

 

 

How BTS became the world's biggest boyband

BTSはどうやって世界最大のボーイバンドになったか

 

けれども多くの人にとって、BTSは出来のいいティーン向けエンタメ産業の象徴でしかないのも事実だ。例えば7歳で業界入りして10年以上デビューの確証もないまま訓練するというような過酷なトレーニングシステムや、疲労やメンタルヘルスの問題で苦悩するアイドルに対する容赦ない姿勢などから、K-popは非情な業界だという認識もある。ステージで失神したアーティストも多い。SUPER JUNIORのイトゥクが、抑鬱症と戦うアイドルたちのためのMilk Clubというピアサポートグループをひっそりと立ち上げたこともあった。一方で、ファンは無分別な10代の少女だと揶揄される。「これについて、議論や喧嘩をしても無意味だと思います」とシュガがぶっきらぼうに話す。「正直いって、なんであれ特定の音楽をこきおろそうとする人たちの心理は理解できないです。クラシック音楽だって生まれた当時はPOPミュージックですよね。どちらがいいとか悪いとか、教養があるとかないとかではなく、趣味と理解の問題だと思います」

K-popアイドルの仕事は過密だ。10年以上のキャリアを築けるケースは数えられる程で、1年足らずで活動を終えることも少なくない。BTSは今年3つのアルバムをリリースし(韓国で2つ、日本で1つ)、世界中をツアーし、旅のリアリティーショーであるBon Voyageの3rdシーズンを製作した。彼らのスケジュールは分刻みだ。「メンバーが燃え尽き状態直前になったときも何度かありました」とシュガは認める。「でもそれは避けられないことだし、どんな仕事をしていても同じではないでしょうか」

 

BTSは現役アイドルとして活動しながら、それぞれ演技の世界で活躍したり、韓国のバラエティTV番組に主演したり、ソロとしてのキャリアを探求したりしている。シュガの興味は建築や照明にも及び、21歳の最年少メンバーであるジョングクは、ドキュメンタリー形式のフィルムメイキングにも着手している。彼の最近の短編作品には、ステージでの熱狂とステージを降りた後の静けさという、彼の人生での両極端の瞬間が収められていた。「これから何ができるか考えると、すごく幸せな気持ちになります」と話すジョングク。燃えるようなエネルギーの持ち主の彼は、ロンドンでのライブ初日前の踵の怪我により椅子に座ってパフォーマンスをすることになり、完全体で参加できなかったことを涙ながらに詫びた。

 

Vliveという動画ストリーミングサイトでの生配信中のこと。メンバーの一人で、その少しハスキーな声がBTSの音楽にソウルフルな味わいを与えているVが、自分のソロ曲を少しだけ聞かせたことで大騒ぎになった。BTSのラッパーたちはみな自主制作のソロミックステープをリリースしているが、ボーカリストたちはまだこれからの段階だ。「準備はしています」とジョングクが話し、J-Hopeが笑う。

RMが驚いた様子で割って入る。「ジョングクは準備中のものが多すぎるんです!映画、ボクシング…計画してることが多すぎて、一体いつ見れるのか誰にもわかりません」

 メンバー同士のじゃれあいが始まる。「J-Hopeがビートをつくってくれたら、自分のソロテープに取りかかれるんですけど」と、25歳の最年長メンバーであるジンが真面目くさって言う。「もうビートは渡したんですよ!気に入ったって言ってたじゃないですか!」とJ-Hopeがわざと怒った様子で声を上げると、ジンは天井を見上げてケラケラと笑った。

インタビューの間じっと聞いていたVが割って入る。「今まで僕が作った曲って、何かが足りない感じがするんです。欠けている部分があるから、曲を完成させられなくて、誰かに助けてもらわないと。何か出せるものを思いついたら、すぐに出します」。シュガが素早くつっこみをいれる。「それじゃ20年ぐらいかかるね」

 
ファンにとっては、こうしたじゃれあいや自然な友情こそがBTSの魅力だ。そしてバンドにとっても、こうしたメンバー間の深いつながりがあるからこそ、脅威的なスピードで作品づくりができる。

 
 自他共に認める野心家のシュガは、グラミー賞受賞が彼の次の目標だと何度も語ってきた。最近では、スーパーボウルハーフタイムショーでのパフォーマンス(会場の観客数は7万1千人でライブ視聴者は1億2千万人)を、そのウィッシュリストに追加したようだ。どちらかひとつでも叶えれば、BTSは誰もが知っているスターとして、その地位を強固なものとするだろう。今やどちらも、決して叶わない夢のようには見えない。「できる限りたくさんのライブがしたいです」と揺るぎない瞳でジミンが話す。「僕たちは自分たちのベストを観せたい、それだけです。」

 

 

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