BTS(防弾少年団)英語→日本語 翻訳の部屋

「防弾少年団」(BTS)が取り上げられた英語媒体の記事やニュースをファンが和訳して載せているブログ。翻訳には意訳部分も多くなりますのでご了承ください。

【和訳】BTSのグローバルアートプロジェクトCONNECT, BTSについてあなたが知るべきこと

2020年1月14日に公開されたdazeddigital.comの記事を和訳しました。


↓オリジナルの記事(英語)↓

www.dazeddigital.com


BTSのグローバルアートプロジェクトCONNECT, BTSについてあなたが知るべきこと

 

 Kpopグループによる大掛かりなアート・エキシビジョンの詳細を知るために、我々はサーペイタインギャラリーに向かった。
 

f:id:kinnikunq:20200115095620j:plain


1月7日、Bit Hit Entertainmentはマルチミリオンの売り上げを誇るグローバルスーパースターBTSの来るカムバックについてアナウンスを行った。ARMYという呼称で知られる彼らのファンは、Map of the Soul: 7というタイトルの新アルバムのリリースを沢山のハッシュタグをつけてソーシャルメディア上で祝い、その日のTwitterのワールドワイドと国別のトレンドキーワードを独占した。Big HitはさらにTwitterで「マップ」を公開。1/10にリリースの"Shadow"と2/3にリリースの"Ego"という2曲のカムバックトレーラーを始めとする、アルバムリリース前のプロモーションプランの一部を明らかにした。


こうしたアルバム発売前のビデオやアートフィルムという意欲的なプロモに混じって、"CONNECT, BTS"という言葉が掲げられた5つの日程と5つの都市の名前があった。日程は1/14のロンドンからスタートし、ベルリン、ブエノスアイレス、ソウル、ニューヨークシティへと続いていた。またグループのメンバーであるRM、ジョングク、SUGAが投稿したツイートの中にも"CONNECT, BTS"を匂わせるイメージがあり、そこには上述の都市の様々な写真が貼られた掲示板の前でポーズをする彼らの姿があった。ファンはこの写真の意味について様々な推測をし、中にはBTSがファンとつながる新しい方法を模索しているのではないかという意見もあったが(ちょうどYouTubeにアップデートされた‘Bangtan Bomb’という短いビデオに初めて英語字幕がついた)、ほとんどのファンは何のことかわからず困惑していた。

このCONNECT, BTSの謎は今朝、ロンドンのサーペイタインギャラリーで解き明かされた。アートディレクターのHans-Ulrich Obristにより、上述の都市で入場料無料の大規模なアートプロジェクトが開催されることが明らかになったのである。韓国人キュレーターのDaehyung Leeのディレクションのもと、ベルリンのGropius Bau、ロンドンのサーペイタイン、NYCのAlta Art Productionのディレクターを含む5人のキュレーターにより、Anthony Gormley、Tomás SaracenoそしてBill Fontanaを始めとする22人のアーティストの作品が集められた。アーティストのJakob Kudsk Steesonは自身の新しい作品である"Catharsis"を公開し、仮想の古代の森を再現したデジタルな音響と映像でオーディエンスを包み込んだ。
 

ボーイバンドとコラボする芸術団体に対してのメディアの好奇心をあらかじめ察知したLeeは、ギャラリーでのプレスカンファレンスで「なぜBTSなのでしょうか?」という質問を投げかけた。BTSのRMとジミンは楽しそうに、"Why?"と口を動かして反応した。BTSはソウルからビデオ中継でつながっており、パンツにドレスシャツにセーターという普段着姿でカンファレンスを視聴していた(Vだけは真っ赤なミリタリージャケットをかっちりと着こなしていた)。LeeはBTSの「力強いメッセージ」を理由に挙げ、「BTSは今や世界のコンテンポラリーアーティストが注目するグローバルグループとなった」と説明した。Leeは毎晩彼らのビデオを見て、階級やジェンダーを超えてあらゆる方法で人々とつながることのできる彼らの能力に驚嘆したことを打ち明けた。「多様性への支援と周囲への愛と労わりという形で現れるBTSの哲学は、このプロジェクトの中の重要なモチーフです」と彼は話す。「このプロジェクトは、多様性への理解を推し進め、新しいシナジーを生み出すための素地を築いていきます。アートで世界は変えられませんが、人々が世界を変えるための影響を与えることはできるのです。」


それに応じてジミンはこう話した。「まず、このプロジェクトに関わることができて本当に光栄だと伝えたいです。偉大なアーティストのみなさんとキュレーターのみなさんが参加してくださったことに感謝しています」。ジンは「前向きなメッセージ」の持つ力を指摘し、「様々な多様性を持ちつつもそれにより分断されることなく、むしろそれによりひとつになることができる、そんなつながりのある世界をつくっていくことができる」と信じていると語った。「僕たちはこれまで予想していなかったぐらいの、実現不可能だと思っていたぐらいの愛とサポートを受け取ってきました」とSUGAが付け加える。「様々な障壁を超えて想いを伝えられる音楽の力にいつもインスパイアされてきましたし、アートも同じような力を持っていると思います。アートの持つポジティブな影響力が僕たちにインスピレーションを与え続けているのだと気付きました。」


アートの世界とBTSは馴染み深い。世界各国のギャラリーに訪れた写真を頻繁にソーシャルメディアで共有したり、V(本名はキム・テヒョン)自身が新進気鋭のペインターであったり、こうしたことも彼らがこのプロジェクトに心から共鳴する要因になっているようだ。「僕が美術鑑賞を好きになったのは去年のことです」とRMは打ち明けた。「まだ初心者ですが、今の僕の趣味はギャラリーや美術館に行って、絵画、彫刻、メディアアート、空間アート、建築物などの素晴らしい作品を見ること。作品を見ていると、作り手の一生をかけての旅の軌跡と葛藤が見えてくるようで、感動と衝撃とインスピレーションをもらいます。ぼくたちがこうしてConnectすることで、もっと多くに人たちがジャンルを問わずアートの力を信じられるようになることを願いますし、それにより世界を変えられると思っています。」 


「コンテンポラリーアートと音楽はまったく違う世界のものです」とRMは続ける。「このプロジェクトが僕たちにとって特別な意味を持つ理由は、真に多様性を象徴しているから、そして僕たちが大切にしているポジティブなメッセージを世界に向けてつくり上げるからです。このプロジェクトを通じて、僕たちのファンであるARMYとオーディエンスの皆さんからもらったたくさんの愛とサポートの恩返しができればと思っています。」


ベルリンのGropius Bauで展示されるのは“Rituals of Care”という作品で、17ヶ国のアーティスト(Jelili Atiku、Maria Hassabi、Kennis HawkinsやStephen Thompsonなど)によるパフォーマンス作品から成り、その内容は実験的なコレオグラフィやヒーリングの実践、音環境アートやムービングランドスケープなど多岐に渡る。


ジョングクはアーティストたちと事前に話す機会があったと話し、「ぼくにとって有意義だったのは、アート作品というものがいかに、それを鑑賞する人々の経験によって完成するかを知ったことでした。僕たちも音楽を通じてファンの皆さんと意思疎通をし、ファンの皆さんが参加することによりパフォーマンスが完成すると感じています」と続けた。またVは、「僕たちはこのプロジェクトから多くのことを学びました。アートは難しいとか複雑だとか考える代わりに自分の体験と感情にフォーカスすることで、誰にとっても素晴らしい経験が生まれるはずです。」


ベルリンの次の地ブエノスアイレスでは、Tomás Saracenoによる“Fly With Aerocene Pacha”という作品がお目見えする。プレスリリースによると、これは「一人の人間が太陽と空気の力だけで空中を浮遊する」というもので、太陽光のみでの飛行での世界記録達成に挑む予定。またこの様子を撮影したフィルムが1/21〜3/22に上映される。ギャラリーで自身の作品について語ったSaraceno氏は、この作品は気候危機へのステートメントであると付け加えた。


ソウルの東大門デザインプラザでは1/28〜3/20の間に2つのパブリックエキシビジョンが行われる予定だ。まず、イギリス生まれのアーティストAnn Veronica Janssensによる"Green, Yellow, Pink"という名前の作品が展示され、その次に韓国出身のアーティストYuyun Kangによる"Beyond The Scene"という作品では、プロジェクトマッピングを通じてBTSの代表的なダンスの動きが再解釈される予定だ。


最後の舞台はニューヨーク市のブルックリンブリッジ公園のPier3。らせん状の輪っかの形状をした18kmの長さに渡るアルミニウム線から構成された、Antony Gormleyの"New York Clearing"という作品が展示される。プレスカンファレンスに参加したGormleyは、「フェンスのない作品」をつくることについてこう語った。「冬のニューヨークの寒さと風の中で実際にどうなるかはわからないですが、挑戦するつもりです。もう10日以上、現場で設置を行っています。」この作品は2/4〜3/27まで展示される。追加特典として、エキシビジョン会場ではBTSによるアート作品の紹介ビデオにアクセスすることができる。直接会場に出向けない場合は、CONNECT BTSにより"SECRET DOCENT"(秘密の案内人)という名前のポータルが用意される予定だ。


この巨大なプロジェクトについての彼らの考えについて、J-hopeがこう締めくくった。「僕たちの音楽と同じように、パブリックアートの真価は、他者と経験を分かち合うときに輝くものだと思います」と彼は言う。「ですので、今回のプロジェクトが ARMYからもらった素晴らしい愛の恩返しをできる、そして展示を体験したARMYが他の人々とその体験を分かち合ういい機会になればいいと思います。」最後にRMがこう付け加えた。「このプロジェクトに参加することができてとても幸せでワクワクしています。この世界にアートは必要ないとか、アートで世界は変えられないという言葉を聞きますが、僕たちはアートの力を信じています。」
 

防弾少年団のファンが趣味で翻訳している個人ブログです。翻訳の正確性に責任は持てません。細かい訳漏れ、訳抜けなどある場合がございますのでご了承ください。無断転載はお控えください。和訳を別ブログで紹介していただく場合は、この記事のリンクURLも引用元として貼り付けお願いします。