BTS(防弾少年団)英語→日本語 翻訳の部屋

「防弾少年団」(BTS)が取り上げられた英語媒体の記事やニュースをファンが和訳して載せているブログ。翻訳には意訳部分も多くなりますのでご了承ください。

【和訳】インターネットで議論が止まらない、BTS "Black Swan"3つのポイント

1/17にRefinery29で公開された記事を一部和訳しました。


↓オリジナルの記事(英語)↓

www.refinery29.com

インターネットで議論が止まらない、BTS "Black Swan"3つのポイント
 


BTS (방탄소년단) 'Black Swan' Art Film performed by MN Dance Company

  
 


マーサ・グラハムの引用

 
"ダンサーは二度死ぬ。最初は踊りをやめたとき。そして一度目の死は二度目よりも苦しい" 
"Black Swan"のMVはダンサーである故マーサ・グラハムの引用で幕をあけ、この引用の根底にある心情は"Black Swan"の曲中に散りばめられている。ダンスを通じての自己表現ができなくなった時に目的を失ったと感じるダンサーと同じように、音楽が彼らを以前と同じぐらいの情熱で満たさなくなる日が来たら、もしくは彼らが人生の目的だと感じている音楽をやめる日が来たとしたら、自分たちは死と同じものを感じるだろうとBTSは曲中で語る。リーダーのRMはこう歌う。"もう共鳴しなくなるとしたら/俺の心臓が震えなくなるとしたら/これが俺の最初の死になるんだろう"。
数え切れないぐらいの記録破りの栄誉や、手に入れた巨額の富や、日に日に大きくなる名声を持ってしても、彼らはアーティストであるとBTSは断言する。彼らにとって一番大きな意味を持つのは、彼らがつくる、音楽や映像やダンスという芸術なのである。
BTSもBig Hit EntertainmentのCEOであるパン・シヒョクも、作品づくりが最優先の事項だと明確に示してきた。ファンもそれを知っている。これは、たとえ自分たちの周囲から懐疑心を持たれたとしても、BTSに情熱を注ぐ理由としていつもARMYが行き着く事実でもある。しかし今回の力強い宣言は、最年長メンバーのジンの入隊が近いとされるこのタイミングを考えると、さらに重要性を帯びる。また先日、ロンドン、ベルリン、ブエノスアイレス、ソウル、NYの都市で22人のアーティストの作品を展示する"Connect, BTS"というグローバルなパブリックアートのプロジェクトがアナウンスされたばかりだ。
BTSは世界中のアーティストをつなげて向上させることを通じて、芸術はどんなことがあっても生き残るんだと言っているようにも見える。仮に直接彼らを通じてではなくても、世界中の様々な人たちを通した形で。BTSがアートフィルムに自分たちが出演する代わりにダンスカンパニーを起用した理由も、ここにあるのかもしれない。
 
 
 

振り付け

 
感情に訴えかける彼らの振り付けには毎回たくさんの隠れた意味づけが織り込まれているが、MN Dance Companyによるアートフィルムに繰り返し出てくる動きには、"Black Swan"という曲の意味と緊張感が可視化されているようだ。
BTSのメンバー7人に対してダンサーも7人。そのうち一人は「スワン」を象徴しているように見える。彼は自分の周りの人々から常に拘束されて押しやられている。途中で光の当たる鳥かごが現れるが、これによりスワンが自分を縛る暗闇から逃げられないということがいっそう明確になる。
ファンはまた、ダンサーたちはBTSのエゴとシャドウを象徴しているのではないかと解釈する。Map of the Soul: 7は2019年のEPであるMap of the Soul: Personaに続くアルバムだが、このPersonaはスイスの心理学者であるカール・ユングによる、人間の心理には主要な原型(ペルソナ、シャドウ、エゴ、セルフ)があるという考えに触発されたものだ。ラッパーのSugaはMap of the Soul 7の中に収録される曲中で、有名人に永久につきまとう"シャドウ"と暗闇について歌った。ファンの解釈では、"Black Swan"のスワン役であるダンサーはBTSのエゴの象徴であり、他のダンサーたちと競い合おうともがき、"シャドウ"が彼らを後ろから引き止めている。

しかしパフォーマンスに希望がないわけではない。シークエンスの最後にエゴが勝利を得てシャドウの上に堂々と立つ。暗闇が完全に去ったわけではないが、暗闇と調和して生きていく方法はあるのだ。
 


歌詞と音作りについて

 
ファンはまた、この曲の歌詞には彼らの過去作品の隠しトラックとの類似点があると指摘する。希望の持つ力と危うさを扱ったLove Yourself: Herの隠しトラック"Sea"の歌詞との類似("僕は音のない声をあげた/すべての光が沈黙に沈み込む海")、また、一人前のアーティストになるための旅路についての彼らの考えを歌にしたデビューアルバム2 Cool 4 Skoolの隠しトラック"道"の歌詞との類似である。("それは道を失った僕の足首を再びつかむ/ どんな音も僕には届かない")
 
ARMYの多くは、この曲でオートチューンが多く使われていることについても活発に議論している。7人それぞれの美しい歌声が変形してしまったと考えて憤慨するファンもいれば、これもまたこの曲のメッセージを伝える大事なツールだと考えるファンもいる。
  
お互いの声を識別が難しい状態にしていることは、7人のメンバーがひとつに調和しているというメッセージだと解釈することができる。音声処理をしてより機械的な音声に仕上げていることも、情熱が枯れ果てたときに自らの主体性と創造性を失うことを象徴しているのかもしれない。
 
 

f:id:kinnikunq:20200115095620j:plain


 


防弾少年団のファンが趣味で翻訳している個人ブログです。翻訳の正確性に責任は持てません。細かい訳漏れ、訳抜けなどある場合がございますのでご了承ください。無断転載はお控えください。和訳を別ブログで紹介していただく場合は、この記事のリンクURLも引用元として貼り付けお願いします。